ニキビ
朝起きたら左手の爪の間にニキビのかさぶたが挟まっていた。
ぼんやりとした意識の中その感覚だけは感じた。まだ眠く、瞼を開けたくなかったため実際には見ていない。
1ヶ月前から眉間にニキビができた。一個ではなく3つほど。洗顔を変えてみたり、化粧水・保湿等してだんだんよくはなってきたがまだ赤い。
そんなニキビとの戦いの中、朝起きたら爪にニキビのかさぶたが挟まっていた。
なぜ眉間のニキビだと思ったのか。それはその前に手で顔のあたりを触っていたことがぼんやりと頭の中に残っているからだ。
ではなぜ私は顔のあたりを触っていたのか。
考えたら怖くなった。
どうして顔を触っていたらニキビのかさぶたが取れるのだろうか。眠く目元を擦る動作でニキビのかさぶたは取れるのか。いいや、取れないと思う。今回のかさぶたはそう簡単に取れるものではなかったはずだ。では他の可能性は。
私は顔を引っ掻いていたのでは。
顔を引っ掻く。そこまで私の顔は乾燥していたのか。ありえなくはない話だが、最近は手入れをしている方だ。ではなぜ。顔を引っ掻き回したくなるほど私は嫌なことがあったのだろうか。いいやそれは考えすぎだろう。
そう眠気が残る頭でふんわりと考えながら布団を抜ける。